針と糸 今までとこれからと                7月3日


 仕事と家事で忙しく 家と職場の往復だけで毎日が過ぎていた頃

主人が「何か気分転換をしたら?作品展をするとか。」と

突拍子も無いことを言い出しました。忘れもしない2000年のこと。

「えっ?作品展て 何の?」

「何でも良いから。」

「・・・・・。」

父が亡くなってから 母が実家の一部を改装して健康茶のお店を始めていました。

その片隅を借りて 何かしたら?ということです。

当時はなかなか有給休暇も頂きにくい状況でしたから

お盆休みの3日間 実家に帰るのが楽しみでした。

お盆の時期なら気兼ねなく帰省出来るし 地元の友達にも会えるから

作品展なんて大袈裟なものでなくても みんなが集まってお喋り出来れば楽しいな

~そんな気楽な気持ちで始まったのです。

でもね 最初は「で 何を作ろうか?」という程度のいい加減さ。

もともと縫い物は好きでしたが 得意なわけではないのです。

当時興味のあったクロスステッチの簡単な袋物や 簡単な服 そんなものを見てもらいました。


 10年くらい続けていたら 何か形になるのかな?そんなことを思っていました。

私はせっかちな癖にのんびりしたところもあって

10年 それ以上の単位で物事を考えることがよくあります。

けれどそのことをある人に話したら

10年なんて長過ぎるわよ 世の中はどんどん変化しているんだから 置いていかれるわよ。

そう言われました。

そうかあ・・・でも私には無理なんだもの まあ仕方無い そう思いました。


 そのうちに遠くの方からお客様が来て下さったり 良い出会いがあったり

続けていて良かった とつくづく思えるようになりました。

2004年里の家を買ったとき

主人の頭の中には 「庭に面してミシン部屋を作って ギャラリーも作る」という青写真が出来たようです。

ミシン部屋はわかるけれど・・・ギャラリーって素敵だけれど・・・私には荷が重い という感じ。

 
 色々な葛藤の後 初めて実家の片隅を出て

ご縁のあったロンダさんで作品展をさせて頂きました。

これが私にとって大きな一歩になりました。

仕事との両立で忙しくなったとき 

あるひとから「縫い子さんを頼むことは考えないの?」と訊かれました。

一度も考えたことが無いし これからも考えることは無い と

私にしては珍しく ハッキリ答えたことを覚えています。

不器用な私が縫うより はるかに綺麗に仕上がったとしても

それは私のものでは無くなってしまう と思いました。

その時の気分であちこち変えてみるのも楽しいのです。

たくさん売るということが目的ではないので

例えば私の体が不自由になったりして それでも服を作りたいとか

そんな状況になったらわかりませんが

私は私の作れる分だけ それが分相応のやり方だと思っています。


 一年一年と体力の衰えを感じるこの頃

いつまで私は縫い物を続けて行けるのかなあ と考えます。

主人の頭の中にはまだ里の家のギャラリーがあるようです。

細々と楽しく 縫い続けて行けたら それが一番だと思います。
by komugiyaajai | 2009-07-03 19:21 | 作ること | Comments(4)
Commented at 2009-07-03 21:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by けいこ at 2009-07-03 21:28 x
同感です。浩美さんらしく、浩美さんのペースを崩さず続けられることを望みます。服作りをいつまでも楽しんでほしいです。応援してます。でも、里の家にギャラリーを作ることで、だんなさんのリフォーム意欲がわくかも。。。?!
Commented by komugiyaajai at 2009-07-03 22:00
鍵コメント様 ありがとうございます。
ぼーっとしながらも色々悩みの多いお年頃であります。
鍵コメント様のお言葉でほろほろ涙が出てしまいました。
自分の出来ることをぼちぼち頑張ります!
Commented by komugiyaajai at 2009-07-03 22:01
けいこさん いつもありがとうござます。
みなさんの応援があって やっとこ進んでいる状態です。
楽しみを第一に考えて行きたいです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。


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